実際、1年やってみていろいろ分かったこと、思うことがあります。
1番に思ってることが
「地域おこし協力隊っていう名前が良くない」
これはいろんな協力隊の人に出会って思ったんですけど、みんなそれぞれやっている内容が違います。
というのもミッション型だったりフリーミッション型というような言われ方があるように仕事に対してのスタンスも違いますし、本人の持っているバックボーンで得意なこと不得意なこともあると思います。
それなのに、それをすべて総称して「地域おこし協力隊」と呼ぶから、いろんなところで意見の食い違いみたいな状況が起きています。
例えば、僕の着任している岡山県井原市には15人もの協力隊がいました、その中だけでも例えば
・定住観光
・訪日外国人旅行者に向けた本市の観光パンフレットや映像等観光PR素材の制作に関すること。
・SNS等を活用した外国語による本市観光情報の発信に関すること。
・本市の地域資源を連携・活用した体験・滞在型観光商品等の造成に関すること。
・井原市観光協会及び美星町観光協会の業務支援に関すること。
・本市が行う対外的なプロモーション活動(観光PRイベント、物産展、キャラク
ターイベント等)への参加に関すること。
・活動に必要と思われる研修会、会議、地域行事等への参加に関すること・ワイン特区活用
市内のブドウ産地のひとつである美星地域で醸造用ブドウの栽培支援を中心に、井原でワイン産業を創出することを目指す活動を行います。
①農業支援(醸造用ブドウの栽培・収穫および栽培農地の整備)
②ワイナリー実現に向けてのワイン用ブドウ生産農場の確立
③ワイナリーの建設に向けた研究
④ワイン文化の高揚に関わる活動
⑤新たな交流拠点開発事業・デニム活性化活性化支援
・井原デニムの情報発信、プロモーション支援に関すること
・井原デニムの販路拡大支援、ブランド確立支援に関すること
・新商品の企画・開発、消費者ニーズ調査に関すること
・井原デニムストアの運営支援に関すること
・デニムを活用した観光振興、郷土学習に関すること
・その他産業振興、地域活性化支援に関すること 等・地域のまちおこし協議会などに所属
大江地区:①水稲及び地元特産品(にんにく、ウコン)の生産販売支援に関すること
②地域農業の6次産業化と法人化の推進に関すること
③地域の農業活動支援(農業後継者確保)に関すること
④その他まちづくり活動支援に関すること 等西江原地区(募集中):①史跡や文化を題材としたまちおこし事業の開発と情報発信に関すること
②古民家や空き家、農地を活用した歴史・文化の伝承場所づくりに関すること
③若者・子どもたちの推進組織の育成と事業の開発・推進に関すること
④既存事業との連携・統合を考えた事業の充実策の策定と推進に関すること
⑤青空市の立ち上げと運営に関すること 等野上地区:・プレーパークや自然を活用した交流イベントの企画・運営
・SNSによる情報発信、地域内へのSNSの普及
・地域資源の発掘(ひと・もの)と、これを活用したまち起こし企画・情報
発信に関すること
・空き家の利活用・マネージメント、移住・定住の促進支援に関すること
・地域内の農地(遊休地)の有効活用支援に関すること
・地域特産品の企画・開発及び地域ブランドの確立支援に関すること
・その他まちづくり活動支援に関すること 等
まだまだ地区によってはミッションが違いますが、ざっと並べただけでも全然違うことが分かります。そしてこれは井原市内だけの話であって、お隣の市へ行けばまた、ぜんぜん違う募集内容になります。
これだけ内容が違う人たちを一言で「地域おこし協力隊」と呼ぶんですから、そりゃ、ぶれますよ。
ちなみに僕の所属しているいずえ地区まちおこしは、完全フリーミッションで
1年目を振り返るというブログ
にも書いたようにかなり自由度が高いです。
というのも、僕の所属先は何より
「任期後の僕のここでの生活」
を最優先させてくれているので僕にとっては最良の地区でした。
ということで、名前が悪いっていうのはこういった視点の話であって、別にネーミングセンスがうんたらかんたらの批判ではないです。この言葉にとらわれて協力隊をつぶした行政、地域は少なからずあります。
「まちおこし」という言葉を背おって、いろいろな研修などにも参加し、勉強もしたりしてきました、とてもじゃないが一人のよそからきた人間が3年の期間にその地域に衝撃的な功績を残すのは難しいです。
なので、まず僕が出来ることは僕なりの地域おこし協力隊を地域に理解してもらうこと、そして僕は地域おこし協力隊という肩書だけど、あくまでも僕は僕の出来ることをしているのであって、地域おこし協力隊はそれをしなきゃいけないんじゃなくて、自分らしくその地域に根差して、定住してくれることがまず1番じゃないかなと僕は思います。
最近違う地域の方から「協力隊を募集したいんだけど、、、」と相談を受けまして、話を聞くとやっぱり根底にはUターンでもいいから地域に人が来てほしい、住んでほしいということがありました。
「結局なにしてるの?」というと、それぞれが違うことをしていますが、僕は「楽しい」を目指して頑張ってます。